grepコマンドまとめ

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grepコマンド

grep は、各 FILE で PATTERNS を検索します。PATTERNS は、改行文字で区切られた 1 つまたは複数のパターンであり、grep はパターンに一致する各行を出力します。通常、PATTERNS はシェルコマンドで grep を使用する際に引用符で囲む必要があります。

FILE が「-」の場合は標準入力を意味します。FILE が指定されない場合、再帰的検索は作業ディレクトリを調べ、非再帰的検索は標準入力を読み取ります。

grep [オプション…] パターン [ファイル…]
grep [オプション…] -e パターン … [ファイル…]
grep [オプション…] -f パターンファイル … [ファイル…]

Pattern Syntax

オプション	説明
-E, –extended-regexp	PATTERNS を拡張正規表現 (ERE) として解釈します。
-F, –fixed-strings	PATTERNS を固定文字列として解釈し、正規表現とはしません。
-G, –basic-regexp	PATTERNS を基本正規表現 (BRE) として解釈します。これがデフォルトです。

Matching Control

オプション	説明	使用例
`-e PATTERN`	指定したパターンで検索する	`grep -e "error" file.txt`
`-f FILE`	指定したファイル内のパターンを検索する	`grep -f patterns.txt file.txt`
`-i`	大文字と小文字を区別せずに検索する	`grep -i "warning" log.txt`
`-v`	一致しない行を表示する（反転検索）	`grep -v "DEBUG" log.txt`
`-w`	完全な単語として一致する行のみ表示する	`grep -w "cat" words.txt`
`-x`	行全体が完全一致する場合のみ表示する	`grep -x "Hello World" file.txt`

色々なgrepの使い方

テスト用ファイルの作成

# 作業用ディレクトリの作成と移動
mkdir -p ~/work && cd ~/work

# テスト用のファイル作成
cat > grep_test1 <<EOF
apple
APPLE
banana
cherry
grape
EOF

# ファイルの内容確認
cat grep_test1

「appl」という文字列をgrep_test1から検索

grep appl grep_test1

複数のパターンをマッチする

grep -e apple -e cherry grep_test1

-iオプションは大文字と小文字を無視するため、大文字のAPPLEも表示されました

grep -i apple grep_test1

-vはパターンがマッチした行が表示されません。

grep -v apple grep_test1

General Output Control

オプション	説明	使用例
`-c`	一致した行数のみを表示する	`grep -c "error" log.txt`
`--color=auto`	一致部分を色付きで表示する	`grep --color=auto "fail" log.txt`
`-L`	一致しないファイル名を表示する	`grep -L "pattern" *.txt`
`-l`	一致するファイル名を表示する	`grep -l "pattern" *.txt`
`-m NUM`	指定した回数だけ一致したら停止する	`grep -m 5 "error" log.txt`
`-o`	一致した部分のみを表示する	`grep -o "error[0-9]*" log.txt`
`-q`	出力をせず、ステータスコードのみ返す	`grep -q "error" log.txt && echo "Found"`
`-s`	存在しないファイルのエラーメッセージを抑制する	`grep -s "pattern" missing.txt`

出力制御を試してみる

applに一致した行数を表示

grep -c "appl" grep_test1

ファイル内に「apple」が存在するファイル名を表示

grep -l "apple" *

Output Line Prefix Control

オプション	説明	使用例
`-b`	各行の先頭にバイトオフセット（0からの位置）を表示	`grep -b "error" log.txt`
`-H`	各一致行の先頭にファイル名を表示（複数ファイル検索時のデフォルト）	`grep -H "pattern" file1.txt file2.txt`
`-h`	ファイル名の表示を抑制（単一ファイル検索時のデフォルト）	`grep -h "pattern" file1.txt file2.txt`
`--label=LABEL`	標準入力のデータを仮想ファイル名として表示	`gzip -cd file.gz`
`-n`	各一致行の先頭に行番号を表示	`grep -n "error" log.txt`
`-T`	出力をタブで揃えて見やすくする	`grep -T -n "pattern" file.txt`
`-Z`	ファイル名の後に改行の代わりにNULL文字を出力	`grep -lZ "pattern" *.txt`

出力行の接頭辞制御を試してみる

テスト用のファイルを作成

# 作業用ディレクトリの作成と移動
mkdir -p ~/work && cd ~/work
 
# テスト用のファイル作成1
cat > grep_test1 <<EOF
apple
APPLE
banana
cherry
grape
EOF
 
# テスト用のファイル作成2
cat > grep_test2 <<EOF
orange
apple
pear
EOF

一致したパターンにファイル名を表示させる

grep -H -e cherry -e orange grep_test1 grep_test2

ファイル名、一致した行を表示し、タブでそろえる

grep -nT -e cherry -e orange grep_test1 grep_test2

Context Line Control

オプション	説明	使用例
`-A NUM`	一致した行の後に `NUM` 行を追加表示	`grep -A 3 "error" log.txt`
`-B NUM`	一致した行の前に `NUM` 行を追加表示	`grep -B 3 "error" log.txt`
`-C NUM` / `-NUM`	一致した行の前後 `NUM` 行を追加表示	`grep -C 3 "error" log.txt`
`--group-separator=SEP`	グループの区切り文字を変更（デフォルトは `--`）	`grep -C 2 --group-separator="===" "error" log.txt`
`--no-group-separator`	グループ区切りをなくす	`grep -C 2 --no-group-separator "error" log.txt`

コンテキスト行制御を試してみる

一致した行（app）の後に2行表示

grep -A 2 app grep_test1

File and Directory Selection

オプション	説明	使用例
`-a`	バイナリファイルをテキストファイルとして処理	`grep -a "error" binary.log`
`-I`	バイナリファイルを検索対象外にする	`grep -I "error" *`
`-r`	指定ディレクトリ以下のすべてのファイルを再帰的に検索	`grep -r "error" /var/log`
`-R`	`-r` と同様だが、シンボリックリンクをたどる	`grep -R "error" /var/log`
`--exclude=GLOB`	指定したパターンに一致するファイルを検索対象外にする	`grep -r --exclude="*.log" "error" /var/log`
`--exclude-dir=GLOB`	指定したパターンに一致するディレクトリを検索対象外にする	`grep -r --exclude-dir="backup" "error" /var/log`
`--include=GLOB`	指定したパターンに一致するファイルのみを検索	`grep -r --include="*.log" "error" /var/log`

ファイル・ディレクトリ選択オプションを試してみる

テスト用のファイルを作成。今回はバイナリファイルも作成します

# 作業用ディレクトリの作成と移動
mkdir -p ~/work && cd ~/work

# バイナリファイル作成
printf '\x48\x65\x6C\x6C\x6F\x00\xFF\xFE\xFD' > binary_file.bin

# テスト用のファイル作成1
cat > grep_test1 <<EOF
apple
APPLE
banana
cherry
grape
EOF

# カレントディレクトリホームに戻す
cd